場所は東京大学の医学部です鍼灸学会Tokyo主催の研修会でした。
関東で行われる鍼灸系の研修会は東京大学と筑波大学が多いのですが、どちらも鶴見の治療院から午前鍼治療が終わってダッシュで駆けつければ13:00開始に間に合うという好立地です
そして、どちらの大学も正門に立つと気持ちが引き締まります
本日の研修のテーマは「美容鍼を科学する」です。講師として前半が「日本メナード株式会社総合研究所研究技術部門」の広瀬統先生。
後半は「明治国際医療大学」の山崎翼先生でした。
前半の広瀬先生の講義では、顔の老徴現象の原因は「紫外線」と「活性酸素」の攻撃が主であること。
皮膚を健やかに保つには
①表皮のターンオーバーを保つこと
②真皮のコラーゲン繊維を保つこと
③皮膚の再生能力を保つこと
が大切ということでした。
皮膚は老化が進むと皮膚の幹細胞が明らかに減ります。すると上記①〜③の全ての機能低下を及ぼします。
そこからメナード化粧品は幹細胞を増やす化粧品の研究を中心に行っているそうです。
そして、化粧品業界での皮膚における効能効果評価法について教えていただきました。いや、これが細かくてすごいんです
本当に科学的にあらゆる角度から効果効能を検証していて、恐れ入りました。外観だけでなく皮膚の水分量や血流量、蛍光分光(コラーゲン特性)など、数え上げても12種類以上もちろん評価器具はお高いものばかり。一介の鍼灸院が買えるものではありません
いわゆる化粧品の大企業の科学力、本当に脱帽です。それと同時に痛感したのは街中で溢れている「Before→After」の写真の真偽。
これは簡単に鵜呑みにしてはいけないなとはっきり思いました
医療の広告に関しては平成30年5月8日に厚生労働省により「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針 (医療広告ガイドライン)等について」という通知があり、医療業界では「Before→After」の写真の掲載や患者の主観的な感想などは禁止になりました。
そりゃあ、かたやこれだけ苦労して化粧品会社が効果効能を検証しているのに、医療界が簡単にデジカメで「パチリ」と撮って「すごいでしょー!!」と言ってアピールするわけには行きませんよね
厚生労働省の取り締まりは正しいと思います。
カメラは照明の当て方やわずかな角度で全く変わって見えるので、化粧品会社で効果を確認するカメラは箱型でがっちり顔を押さえつけて暗幕内で撮影するそうです。患者さんは嫌がっちゃいますよね(笑)
そして後半の山崎先生は実技も交えてのご講義でした。鍼灸は他の手技に比べて「痛い」イメージがあるからか、人気が少ないです。しかしながら、ここ2−3年の美容鍼灸を入り口にして若い世代に興味がある人が増えているというお話でした。先生の研究では鍼刺激は「水分保持」「キメを整える」分野で特に効果があったとのことでした。そして顔面部の刺激は「セロトニン神経系の活性」を促し、自律神経調節と鎮痛、意識の覚醒、うつ状態の改善と深く関わるとのお話でした。
なかなか内容の濃い講義でした
そしてお家に帰ると鶴見警察署から暑中見舞いが。。。
石原軍団の西部警察に懐かしさを覚えました警察署も今は色々考えるんですね!
さあさあ、今日勉強したことも、皆さんにしっかりと還元できるように頑張ります!!