ここでは病理医のヤンデル先生、消化管外科のけいゆう先生、皮膚科の大塚先生、アレルギー専門医のほむほむ先生が『医療情報の適切な見分け方』についてお話しされました。
常々、「病気になったらどこに行けばいいのか?どこから情報をいれればいいのか?」と迷う患者さんは多いと思います。
私は大学生の時、高熱、鼻詰まり、喉の痛みがあり、たまたま専門科が沢山ある総合病院を一人で受診した時がありました。
その時受付に言われたのは「何科に受診されますか?」だったんです。当時医療の知識が全くない私は「すいません。分かりません。でも私の症状は〇〇××」と説明をすると「じゃあ内科ですね」と振り分けてもらいました(今の私なら耳鼻科を選ぶと思います)
私の学生時代はまだPCが一人一台が贅沢な時代で、「病気になって一人で対処が厳しい場合は人に聞く」が主流だったんですが、今の主流は断然インターネット。超便利になりました
しかしながら。。。ネットの情報は玉石混合。特に難病に対して「こうして治った!!」という民間療法の書き込みに自然に引き付けられます。
でも。難治な病気であればあるほど「こうして治った!」は危ないです。それは科学的根拠が乏しい。むしろマイナスになる可能性すらある。なので標準治療では取り入れられていないのです
次にお話しされているのが「後医は名医」について。「後医は名医」のエピソードについては、私も普段、患者さんとお話ししている時に「初めはA病院に行っていたのだけど、良くならないのでB病院に行ったら、『なんで先にうちに来なかったの?うちに来てたら治ったのに!』と言われました。でも良くならないので、鍼やマッサージはどうかと思ってきました」なんて言われることが多くあります。
お薬手帳と処置を伺うと、初めの病院がおかしなことをした訳ではなさそう。しかも次の病院は初めの病院の薬にに加えて漢方を追加しているだけで、前の病院を非難する意味がよく分からないなんてこともしばしばあります。
体ってそんなにすぐ良くなるものではない。後医は前医の処置を見て、足りないところを処置することによって名医になりうるのです。なので私は「初めの病院が特段おかしな事をしているとは思えません。2つ目の病院も害になるようなことはしていないと思います。鍼灸マッサージとしては○○××のようなアプローチをしていきたいと思います。」とお伝えしますそういった意味では、日本の医療機関は基本信頼できる処置をしているのに、一部の医師の言葉の使い方によって患者さんを医療不信におとしいれてしまう事があります。
そして3番目は(これ、私が最も大事にしていること)信者を作るのではなく、信頼を作るということについてお話しされています。
鍼灸は西洋医学と違い、エビデンスが完全に確立されていません。鍼灸業界でも、西洋学治療で楽にならず、苦しんでいる患者さんに対して「私が絶対治します。なので全面的に言う通りにしないと治りませんよ」という鍼灸師が一定数いるとのこと。
西洋医学でも東洋医学でも100%治る保証なんて残念ながらありえません。(逆に絶対治るという医師や鍼灸師は眉唾です)
なので、私は誇大することなく、鍼灸の限界や副作用についても患者さんにお話しするよう努めています。(これは私の学生時代の恩師、有明医療大学の坂井先生から受けた教育です)
今回の「SNSのカタチ」は臨床上よく感じていることの接点が多くありました。
このようなイベントをきっかけに「健康ってなんだろう?医療ってなんだろう?」と一人でも多くの方が関心を持ってくださったら良いなあと、思いました